紫苑-回顧-
篤は明の服を全て剥ぎ取ると、その細い両手首をシャツでひとまとめに縛った
明の小さな乳首が、薄紅色に染まっているのを見ながら満足気な笑みを浮かべる
「どうして欲しい?明」
「…」
明は茫然と兄を見上げた
冷たい手のひらで、自分の薄い胸をなで上げる兄はまるで別人のようで
恐怖心から、涙が溢れた
兄の端整な顔が降りてきて、明は反射的に目をキツク瞑った
瞼から零れる涙を舌先で舐め上げられる
そのまま、頬を伝い、唇に重なった
切れた唇から滲んでいた血を、丁寧に舌先で舐め取られピチャピチャと卑猥な水音が響く
薄く開いた唇を割って、兄の舌が口内に入ってくる
粘膜に触れるヌルっとした感触に明はビクッと肩を震わせ顔を横に背けた
心臓の拍動が早く、体が熱い
自分の体の変化と、これから何をされるのかわからない不安で
涙腺が壊れたようにポロポロ涙がこぼれた
「お兄…ちゃん、やめて…お願い」
篤は先ほどの平手で薄赤く腫れた明の頬を優しく撫でる
「明は痛いの嫌いか?」
「?…」
痛いのは誰だって嫌に決まっている
明は兄の言葉の意図がわからなかったが、コクンと頷いた
「…そうか?お前は痛いのが好きだと思うぞ?」
「……」
意味がわからず瞬きをすると、兄はスッと眼を細めた
「質問に答えろ…嘘を言ったら…わかるな?」
眼鏡の奥の瞳が冷たく明を見下ろしている
明は息を呑んで、頷く
いつも優しく自分を守ってくれる兄が
何故こんな威圧的な視線を向けるのか
明には理解出来なかった
「お前から誘ったのか?」
「…ぇ?」
兄の問いが、担任との行為の事だと気づき明は激しく首を振った
「ちッ、違うよ!」
「ふぅん?」
疑うような冷たい反応に明は慌てて弁明する
「本当だよ兄貴ッ…補習だって言われて…それで残ってたら…」
「お前、部活の下見だと嘘をついたな」
ビクっと明が震える
ゾッとするような声音だった
「どうして俺に相談しなかった?」
「…だってッ」
明は言葉を呑み込む
「だって何だ?そんなに俺は頼りにならないか?」
篤は怒気を含んだ声で問い、眉根を寄せた
本当は早く兄に話して助けてもらいたかった
反面、自分が悪いわけでなくても担任と、学校とトラブルになるのは
兄や親に迷惑をかけてしまう
担任にも脅された
『宮本さえ、黙っていればいいんだよ』と
『その代わり、気持ちよくしてあげるから』
何度か触れられたが気持ちいいと思ったことは一度もなかった
だた不快で、目を瞑って終わるのを待った
脳裏に浮かぶのはいつだって優しい兄の顔だった
「ごめ…んっ…お兄ちゃん」
「明」
「お兄…ちゃ…」
篤は涙でぐちゃぐちゃの弟の顔を自分のシャツの袖で拭うと
もう一度口付けた
唇の感触を味わうように、啄ばむように角度を変え何度も重ねた
弟の口から漏れる甘い吐息と自分のシャツの裾をギュと掴む手が
細かく震えているのが愛しくて
篤は明の顎を引くと、口を開かせ、舌を差し込んで口内を蹂躙した
奥に縮こまった舌を捕らえ、自分の舌を絡めると強く吸い上げる
「うっ…ん!」
明の腰が小さく跳ねた
唾液の透明な糸を引きながら唇を離すと
明の欲情に彩られた潤んだ眼が篤を捕らえる
篤はゴクっと唾液を呑み込み弟の桜色に色づいた肢体を見つめた
下半身に熱が集まり、触れなくても自分のモノが勃起しているのがわかる
『メチャクチャに犯したくなる』か…
不意に友人の言葉を思い出し、篤は苦笑した
今ならその意味もわかるが…無意識とは言え
やたら色気を振り撒かれると悪い虫がついて困る
性癖を自覚させて、自分にしか反応しないように躾けなければ
篤は明のわき腹を撫でながら、体をずらし
まだ幼さの残る性器を手のひらで包んだ
「あっ…やッ、め」
言葉と裏腹に触れた瞬間ピクッと性器が脈打ち勃ち上がる
それを優しく包んで親指を裏筋に添うように上下に緩々しごいた
「…ァ…あんっ、お兄ちゃぁ…んっ!」
甘く扇情的な喘ぎ声を聞きながら、篤は性器を口に含んだ
「ぅッん!」
敏感な性器を生暖かい口内がギュっと吸いつく
電流が走るような激しい快感に明は目を見開いた
「あッ!…ッああ!」
勝手に内股がビクビク震える
自分の体に広がる経験したことのない感覚に心が置いていかれる
根元まで含まれ舌を竿に絡ませたまま、ズルっと口内から引き抜かれた瞬間
腰の奥から性器の先端へ突き抜けるような射精感が沸き起こった
「う…ッ」
篤は一度口からペニスを抜き、わざと焦らすように先端を舐めあげた
「ほら、明…見てみろ」
兄の熱っぽい声に明は自分の股間を見た
勃起した先端から透明な液が垂れ流れ
篤の手が上下に動く度にクチュクチュと水音を立てている
「気持ちいいか?明」
親指の腹でカリをグリグリ擦られ、明は思わず腰を浮かせた
「あ…ァ!…お兄ちゃんッ!」
そのまま二・三度強く擦られただけで、明は呆気なく射精してしまった
篤は飛び散った精液を指に絡め、明の尻を割って穴に塗りつける
射精の快感で虚ろだった意識が、体内に異物を感じて覚醒する
「…ぁ…え?…な、に…」
グリっと直腸を抉られる衝撃に、息を呑んだ
「…狭いな」
篤はそう言いながらも容赦なくグリグリ指を差し込む
「やッ!ヤダ!」
肛門に指を入れられている行為に明は羞恥でパニックになった
「指、やッ!」
下半身に力が入り、ソコをギュウギュウ締め付けてしまう
「…明、力抜かないと痛いぞ」
「や…止めて、お願いッ」
篤の指が狭い肉壁を割って強引に奥へ侵入してくる
一旦引き抜かれ、ホッとしたのも束の間
二本に増やされた指が入り口の括約筋を解すように
バラバラに中を掻き回す
「ひ…ッうぁ!」
「…お前、やっぱり痛い方が感じるんじゃないか?」
篤は鼻で笑うと、指をズルっと引き抜き、スラックスを下ろして自分のペニスを取り出した
明は自分のモノとは比較にならない兄の猛々しく怒張した性器に戦慄した
篤は本能的に逃げようとする明を捕らえ
体をうつ伏せると、尻を突き出すように腰を支える
まだ解れきっていない小さな穴に、先端を宛てがいグイっと腰を推し進める
「いッ!やッ…ヤダァ!!」
ググっと狭い穴が無理やり押し広げられ、ズブッ!っと先端が押し入る
「う゛あぁッ!!」
篤の肉棒が肛門と腸壁を限界まで押し拡げる
焼けるような激痛に明は絶叫した
「やッ!止めッやッ!あ゛ッ!うあ゛ぁぁぁッ!!」
「明ッ」
篤も予想以上の狭さに一旦動きを止める
「いだッ、いだいよぉ!抜いでぇッ!」
痛みを紛らわそうと必死に浅い呼吸を繰り返す
「あ゛!あ゛ッ…う゛ッ…」
篤は明の腰を更に高く持ち上げると力が抜けた一瞬をついて
一気に最奥へ突き入れた
「ーーーーッ!!!」
明の腰がガクガク痙攣する
圧迫感と痛みに意識が遠のくが
体を二つに裂くような熱い塊が激しく律動し始め、気を失うことも出来なかった
腸液と潤滑代わりに塗られた精液が混ざり合い、篤のペニスが抽出される度に
グチュグチュと濡れた音をたてる
「がッ…ぁあ゛あ゛ッ…!ぅあ゛!」
激痛に脂汗がじっとり額に滲む
最奥まで入った篤のペニスがズルリと引き抜かれ、再び突かれた瞬間
ゾクッっと痺れるような感覚が明の体を駆け抜けた
「あ゛っ!あぅ…ッ!」
明の甲高い声に
篤は確認するように同じポイントをペニスの先端で擦り上げた
内壁が蠢動し、穴がキュウっと締まる
「はっ…あ゛…あっ、んッ…」
射精の快感とは別の、結合部分からジワジワと突き上げるような快感が
痛みに混じって広がる
「ここがイイのか?」
篤は前立腺のでっぱりをグイグイ押し上げる
その度にソコから激しい快感が体中に広がった
「くぅ…んっ!あっぁんっ!」
いつの間にか痛みすらも気持ち良く
明は自ら腰を動かしていた
篤の手が明の前に伸び、ペニスを刺激する
一度射精して敏感になっている前と後ろの穴を両方同時に犯され
気が狂うような快感に明は喘いだ
「あッ!あぁッ!やッぁ…で、出るぅ!」
「明っ」
篤の反り返る程の固い肉棒を熱い腸壁がキツク締め付ける
篤は狭い穴を掘るように激しく突き入れた
「ひッぃ…!あ゛ッ!うあ゛あぁ…!」
「く…あきらっ…!」
「あ゛ッ!!だッダメ!もう出ちゃう゛ッ!!」
篤の手の中で、明の性器がビクンと脈打ち、先端から勢い良く精液が放たれた
体が壊れるほどに揺さぶられ、篤のペニスが執拗に前立腺を擦る
「う゛ッ!あ゛、あぁッー!!」
目が眩むほどの快感に射精が止まらない
ビュッ!ビュクッ!と尿道から止め処なく精液が溢れ出る
「明!」
篤も絶頂を向かえ、明の中に濃厚な白濁した液を大量に注ぎ込んだ
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