白亜2


明はがむしゃらに森を走った

自分の器では斧神に釣り合わない
その不甲斐なさに唇を噛む

何より斧神に拒絶されたことが辛かった

木の根につまずき転んで初めて自分が泣いていることに気づいた
次から次にあふれてくる涙を拭いながら立ち上がり
当てもなく歩き続けるとやがて炭鉱のような穴を見つけ
中の床板に倒れこむように横たわった

薄暗い洞穴にいると自然と斧神と閉じ込められた時を思い出す
明は落石から庇ってくれた斧神の厚い胸板や逞しい腕を思い目を閉じた

篤が死んで以来誰かに守られることが久しくなった
ずっと弱音も甘えも許されず一人で頑張ってきた明は
その安心感が忘れられずにいた

「斧神…」
呟いた小さな声に返事があった

「明」

驚いて上半身を起こすと、目の前に斧神がいた

「なっ…」

慌てる明をよそに、斧神は足を掴んで明のズボンを引きずり下ろした

「…?」
下着ごと脱がされ下半身が露出する
あまりの出来事に明はただ唖然と斧神を見た

「…怪我をしたな、明」
斧神が持ち上げた自分の膝に視線を移すと微かに血が出ていた
ここに来る途中で転んだ時の傷だった

「だ…大丈夫…」
自分でも驚くほど声が震えている
グイっと脚を広げられ、慌てて露出する股間を両手で隠した
「あ、脚…離せよ!」

「お前の仲間が気をつけろと言っていただろう…俺とは違うんだ」
それが先ほどの西山の言葉だと気づき
明は戸惑った
「それは…別にそんな意味じゃ」
「いや。俺達は越えられない壁がある…人間と吸血鬼という決定的な違いがな」
「そんな…そんなの関係ない…アンタは他の吸血鬼とは違…」

言いかけた言葉を呑み込む

斧神は被り物を剥ぎ取ると異形の素顔を見せた
斧神の行動がわからなくて、明はただ目を見開いて見つめる
その中央の口から赤い舌が伸び、明の膝を舐め上げた
「ぁっ…!」
傷口に生暖かい感触がし、反射的にピクンと膝が小さく跳ねる
唾液でぬめる舌が丁寧に血を舐めとった
舌で舐め上げられる度にピチャピチャと濡れた水音が響き
その生々しい感覚に明は動揺した
自然に意識が集中してしまう

「斧…神、や…やめ」
斧神を押しのけたくとも、股間が反応し始めていて手を動かせなった
自分の体の変化にますます混乱する

斧神は顔を上げると、膝裏に手を入れ明の脚を胸の方へ押しつけた
「…明」
斧神の低い声に明は本能でこれからされる行為を悟った

「ちょ…待っ…」
何故?という疑問ばかりが巡る

明の目が戸惑いで揺れるのを見て斧神は自嘲した
「お前とはもっと早く出会いたかった」
諦めにも似た静かな口調で告げると
斧神は股間を隠している明の両手を捉え頭の上にまとめた
「斧神ッ」
足掻いても腕力で斧神にかなうはずもなく
たくし上げられたジャケットでひとまとめに縛られた

他人の手で触れられるその初めての感覚に、ドッと熱が下半身に集中する
「っ…斧が…み」
斧神の温かな手の中でビクッ脈打ちながら次第に自分のモノが硬さを増してゆく
「く…あっ…」
ジワジワとせり上がる快感に呼吸が乱れる
斧神は手を止め明を見下ろした
「お前は化物相手でも感じるのか?」
「ち…違…」
化物なんかじゃない、そう伝えたいのに上手く話すことが出来ない
斧神はフッと笑うと再び舌を脚に這わせた

内股から性器へ
「ひ!あ…やぁっ」
唾液をたっぷり垂らして敏感な亀頭を舐めまわす
「あッああ…!」
腰から性器へ突き上がるような快感に明は思わず喘いだ

ヌルヌルした舌先で尿道口を擦るように愛撫され
明の性器は完全に勃起していた
同時に竿を上下に扱かれ唾液と次々に溢れ出る先走りで
ピチャピチャと卑猥な音がたつ
強い射精感にビクビク内股が震えた

「うッ!あぁっ…や、止めっ」

斧神は射精を促すように更に激しく責め立てた
「あっ…や!も、出っ」
涙を流しながら明は無意識に腰を浮かせた
「んぁっ!あ゛っ!!」
ビクンッと腰が跳ね同時に勢いよく精液が飛び散った
白濁した液が腹や尻に伝い落ちる

明は目が眩むような気持ち良さに放心した
「明」
「…おの…が…み?」

焦点の合わない潤んだ眼が斧神を見上げる
半開きの唇は唾液で濡れ、頬が薄紅色に染まっていた

その色気に斧神は思わずゴクリと生唾を飲み込む

濡れた指先で後孔を解すように触れた
明は思いもよらない箇所を触れられ体を強張らせた
「っ!?お、斧神…っ」
「力を抜いていろ」
滑りを借りて斧神の太い指がズブリと中へ侵入する
「うぁっ!」
異物感に明は短い悲鳴を上げた

斧神の指が内壁を探るようにうごめく
その度にグチュグチュと濡れた入り口がひくついた

ぐるりと旋回した指の腹が前立腺をかすめ
電気のような経験したことのない刺激が走る

「あ゛ッ!あっ?な、何っ…」
性器を扱かれるのとはまた違う快感が広がる
いつの間にか2本に増やされた指が中でバラバラに動きながら
気持ちの良いところを刺激した

「あ゛っあん!やっ…斧が…あっ!」

明はそこに指が当たるように腰を揺らしていた
触れてもない性器は硬く勃ち上がり、再びタラタラと透明な液で濡れている

斧神は指を引き抜くと変わりに自分の怒張した性器の先端をあてがった
「…お…斧…がみ…?」
凶暴なほど屹立した赤黒く太いペニスに明は腰を引いた
その瞬間斧神は両手で明の腰を捉えるとグイっと引き寄せ
濡れた穴へ亀頭を突き入れた

「ひッ!!!!」
肉棒が腹を突き上げる圧迫感に目を見開く

「あ゛!がっ…あ゛ぁッ」
体がビクビク痙攣してドッと汗が吹き出る
「っ…明、力を抜くんだ」
「あっ!ああ゛っや…っ!」

斧神は明の性器に手を伸ばし、緩やかに扱いた
「っ…あぁ…んッ」
次第に明の呼吸が落ち着くと
斧神は涙でぐしゃぐしゃの顔に張り付いた髪を
優しく掻き揚げてやった

「明…」
「ぁあ…くっ…ぅ…」
ゆっくり腰を進め、明の中に根元までおさめる
温かい内壁が蠢動しながら、硬く反り立つ斧神のペニスを締め付けた

斧神は細かく震えながらも自分を受け入れる明が愛おしくて堪らなかった

ズルッと引き抜くと先端が前立腺を擦るよう一気に突き入れる
「う゛あ!ああぁッ!!」
脚を左右に大きく広げられ中心へ
指とは比較にならない質量の肉棒が激しく出入りする
精液や先走りでぐちゃぐちゃになった後孔が卑猥に伸縮し
斧神のモノを咥えていた

中を擦りながら奥を突かれる度に
体を快感が駆け抜け、明は喘ぎ続けた
「あ゛あっ!いっ!イクッ」
「明ッ!」
斧神は繋がったまま、明の体を抱き起こし
向かい合うと強く抱きしめた

明の体重で怒張したペニスに深々と突き刺さり
一層深く繋がる
そのままガクガク揺さぶるように激しく突き上げた

「うッ!あ゛あッ!!イクっ…い゛っ…あああッ!!」
強い快感に目の前が真っ白になり
ビュクビュクと何度も吐精する
「ぐっ!」
射精の勢いで更にキツク締め付けられ
斧神の明の中へ大量の精液を注ぎ込んだ




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