琥珀2
「またここに入れられるなんて…」
明は重い体を壁に預けて座り込んだ
石造りの牢は天井が高く広いせいか、薄暗く空気が冷たかった
「雅の屋敷に来たことがあるのか」
斧神の問いに明は眉根を寄せた
「初めてこの島に来た時にな…仲間と脱出したんだ」
「…」
斧神は牢の鉄格子をグッと握る
「この程度の檻なら抜け出せるな」
「曲げれるのか?!だったら早く逃げよう!」
立ち上がろうとした明に斧神は首を振った
「ダメだ。牢を出ても雅が屋敷にいる限り捕まる…アイツが屋敷を出た隙をつくしかない」
「…そう…だな」
この屋敷には雅が飼い慣らした邪鬼がたくさんいる
とにかく屋敷の外に出なければ逃げ切れないだろう
「今は待つしかない」
「…ああ」
明は無意識に微笑んだ
「ふっ…随分余裕だな小僧」
自分が少し笑っていたことに気づいた明は照れくさそうに目を逸らせた
「…小僧じゃない」
「明…お前には本当に驚かされる」
斧神は屈み込むと明の頬に触れた
「お前のように強い人間は初めてだ」
「俺は…別に強くないよ。今だって熱で体が動かないし…でもアンタと一緒ならどうにかなるような気がする」
斧神が不意に鉄格子の外に目を向けた
「!」
「明は逸材だ。人間にしておくのはもったいない…そう思わんか?斧神」
雅が檻の門を開き中へ入ってきた
「ッ!」
雅は睨み付ける明の腕を捕えると、強引に引き寄せた
明の背中を抱きこみ腰に腕を回すと、首筋に牙を立てた
「うッあ゛…ッ!!」
「小僧ッ!」
斧神は駆け寄ろうとしたが雅の鋭い爪が
明の腹に突き立てられたのを見て動きを止めた
じゅる…じゅるッ
「は…っ…あぁ…」
血をすする水音と明の浅い呼吸が響く
やがてそれは、掠れた甘い喘ぎへ変わった
「んッ…あっ…!」
牙が抜かれ雅の赤い舌が傷口から溢れる血をピチャピチャ舐めとる
充満する血の匂いに斧神は目を背けた
その様子に雅がニヤリと笑う
弛緩した明の体を斧神げ投げつける
「うっ!」
「小僧!」
斧神は快感と痺れで細かく震える明の体を支えた
「斧神、明の血を吸え」
「!」
雅の命令に斧神は愕然とした
「それは…出来んッ!」
「命令に逆らう気か?…従わない下僕などいらん。お前を殺して明を今、この場で吸血鬼にする」
楽しそうな口調とは反対に赤黒い眼は冷たく斧神を威圧している
逆らえば本当に明を感染させる…そう感じた斧神は意を決し山羊の被り物を剥ぐと
ぐったりとした明の体を持ち上げ首筋に吸い付いた
「ひッ!あぁっ…」
ビクンっと明の体が跳ね上がる
流れる血を零さないように、執拗に舌が皮膚を舐めまわす
その生暖かい感触に、ゾクリと快感が突き上げ甲高い声が漏れる
「ぁっ…あ、あぁ…やめっ斧…神…っ」
「…っ」
口内に広がる血の濃厚な味に吸血鬼としての欲求が高まる
斧神は失いそうな理性を必死に保とうと自分の体に爪をたてた
「あはははッ!どうだ斧神、明の血は美味いだろう?」
「…雅…様」
「そうだな…次は」
雅は新しい玩具を見つけた子供のように楽しげに、残酷な笑みを浮かべた
「明を犯せ」
「…な、なんだと」
斧神は耳を疑った
「明を犯せと言った。明の泣き叫ぶ顔が見たい」
(っ…狂ってる)
雅の歪んだ愛情に斧神は目を見開いた
雅は壁に寄りかかると腕を組んで、「早くしろ」と促す
選択の余地がない斧神は明に覆いかぶさると、服を剥ぎ取った
「…っ…な、何…」
「許せ、小僧」
斧神は短く謝罪すると、
先ほどの吸血で緩く勃ち上がった明の性器に触れた
「…斧、神っ…触る…なっ」
「大人しくしていろ。雅に逆らえば吸血鬼にさせられるぞ」
「で…でも…っ!」
斧神の無骨な指が巧みに性器を擦りあげる
「い!…やっ…やめろ…」
溢れ出す先走りの液を潤滑油に扱くと、くちゅくちゅと淫猥な水音が響いた
集まる熱と腰を突き上げるような甘い快感に
温かな手に包まれ明の性器は完全に勃起した
「う…くぅ…」
雅の強い視線から逃れるように俯くと
先端から透明な液を溢れさせ、ピクピク脈打つ自分のモノが見え
羞恥でカッと体が熱くなる
「…ァ…あ!……っ」
敏感なところばかりを攻め立てられ、射精感に明は歯をくいしばった
「ぐッ…んっ…!」
不意に斧神の生ぬるい舌が首筋の傷を伝い、耳の中をヌルリと舐める
ゾクゾクと痺れるような快感に堪らず嬌声を上げた
「あッ!い、嫌っ…も、で…ッ」
濡れた性器を扱く手の動きが早まり、明はたまらず腰を浮かせ背を仰け反らせた
「あ、あ…ッ!!出るッ!!!」
瞬間、強い快感が突き抜け、ペニスの先端から勢いよく白濁した精液がほとばしった
「ひァ…ッ!あああァ!!」
ビュクビュク絶え間なく弧を描いて、飛び散った液が辺りを濡らす
斧神は明の出した精液でヌルヌルになった指を
後ろの穴にグリっと捻じ込んだ
狭い穴を押し広げる異物感に明は悲鳴を上げた
「うあ!なッ…何っ…?!」
太い指が中で蠢くたびに、今まで経験したことのない新たな快感がジワジワ広がる
「あっん…んっ!」
自然に明の口から喘ぎ声が漏れた
その様子に雅は眉根を寄せて斧神を睨んだ
「何をしている…早く入れろ」
「…っ…」
慣らさなければ明にとって拷問以上の苦痛となる
斧神は躊躇したが、雅の沈黙に圧倒され意を決した
ヌルリっと指を引き抜くと、斧神は自分の屹立したモノを明の後ろに宛がい
もう一度「すまない」と耳元で囁いた
明は、後ろに当たる熱が何なのか理解する間もなく
次の瞬間、内臓を押し上げるような衝撃に絶叫した
「うぎゃああああああっ!!!!」
斧神の人の腕以上の太さもあるペニスが強引に突き入り
無理やり中に押し込められた
「あああっ!!うッああっ…」
「っ…明」
精液の滑りを借りて、斧神はズブズブとペニスを中に突き入れた
「ひッ…!いッ、や!やめッ!!あァ!」
「力を抜け、明!」
慣らしきっていない狭い穴に赤黒く太い肉棒が埋まっている
全身が細かく痙攣し、汗がドッと噴出し浅い呼吸を繰り返す明には
何も聞こえていなかった
「あ゛あ゛ッ!!やッ抜い゛で!!!」
幼い子供のようにボロボロ涙を零し、懇願する明を見て
雅が満足そうに笑みを浮かべ近づいてきた
「ふふ…お前はとてもイイ声で鳴く」
雅は上着から取り出したスポイトのような注射器のキャップを外すと
明のペニスを掴んだ
「さすがに萎えたか…だがこれから苦痛で勃起するように仕込んでやる」
そういうと雅は残忍な笑みを浮かべた
「今日は特別にコレをくれてやろう」
亀頭の先端にスポイトの先を押し込むと尿道へ透明な液体を流し込んだ
「う!…くッ…」
痛みを感じたのは一瞬で、尿道をタラタラ生暖かい液が通る感覚がしたかと思うと
焼けるような熱にビクンっと明の体が跳ね上がった
「ひィッ!」
息を短く飲んだ瞬間
ビュクッ!注ぎ込まれた液ではなく精液が先端から飛び散る
「えっ…な…何で…」
熱は強い快感になり自分の意思に関係なく射精してしまっていた
雅に促され斧神が律動を始める
軽く引き抜ぬかれたと思うとズンっと深く突き入れられ
電流のような刺激が内を駆け抜けた
まるで壊れてしまったかのように尿道からポタポタと精液がたれ続ける
「ぁあ゛あ゛ああっ!!」
有り得ない太さのモノが無理矢理、穴を抉じ開けジュブジュブ水音をたて抽出してる
しかし最初のような苦痛は一切なく
あるのは気が狂いそうなくらいの快感だった
「あっ!い゛…いいッ!!」
明は唾液を垂らしながら嬌声を上げた
斧神は細い明の体を腕に抱え、気遣うように腰を使っていたが
甲高い艶めいた喘ぎ声と自分のモノをキュウキュウ締め付ける熱い内壁の蠢きに
いつの間にかたまらず奥へ激しく突き上げていた
「あ゛あ゛!気持ちいいッ!!」
強力な催淫剤を性器の粘膜から直に吸収した明はすでに理性を失って
ただひたすら快楽を貪るように腰を動かしてた
「あッ!斧が…みッ!いッ!イクッ!!」
明の掠れた声に合わせるように、斧神は明の腰を掴み
物欲しそうにヒクつく粘膜へ叩きつけるように激しくペニスを突き入れた
「くッ…あ、明!」
「あ゛あああッで、出るゥ…ッ!!!」
大量の吐精で、太ももが濡れ床に精液の水溜りをつくってゆく
「う…ッああ…」
目の前が真っ白になる程の快感に
明は咥え込んだ斧神の肉棒を思いっきり締め付けた
「ッ…明」
低いうめき声と共に斧神は明の中に射精した
中に出しながらも腰を動かし続け、腸液と精液が混ざりあい結合部から溢れ出す
「あ、あ、あ……」
激しい絶頂を向かえ明はそのままガクリと頭を垂れ気絶した
明の体を支えながら、斧神はズルリと自分の性器を引く抜く
追うように大量の精液がダラダラと流れ落ちた
その時、慌しい足音と共に
牢獄へ数人の吸血鬼が駆けつけた
雅は明らかに不機嫌そうに目を細める
「ここへは誰も来るなと言ったはずだが」
雅の冷たい声音に吸血鬼は一瞬臆したが、意を決して訴えた
「雅様!人間どもが攻めてきています!!」
「何?人間だと…」
「爆撃にあって人間軍に圧されています!!」
雅は一瞬、二人へ目をやったが踵を返して牢を出た
斧神は外からの爆音を聞き
明の仲間が救出にきたことを悟った
山羊の被りものをつけると、力なく横たわる明を抱えた
ピクリとも動かない明の頬を撫で
「お前は俺が守る」そう呟くと
檻の鉄格子を抉じ開けた