秘密
井戸の冷えた水でザッと汗を流し、朝稽古を終えた利家が
朝餉をとりに座敷へはいると
いるはずの小さな姿が見えないので給仕をする下女に尋ねた
「…慶次はどうした」
「先ほどお声をおかけしたのですが、まだ眠いとのことで…」
前田家に養子に来てまだ日が浅いが、慶次は誰よりも早起きで、
利家が座につくまで朝餉に手をつけずに待っている礼儀正しい子だ
その慶次が寝坊とは…
「どこか具合が悪いのではないか?」
「…あ」
下女は口に手を当てて、うつむいた
「申し訳ございません…思い至らず…只今すぐにご様子を」
利家は慌てる下女を制した
「いや、いい。某が見てくる。お前は下がれ」
下女が一礼して出てゆくと、利家は慶次の部屋に足を向けた
元気な子なのでその心配はないだろうと思いながらも
自然に足早になる
慶次の部屋の前に来ると、襖ごしに声をかけた
「慶次?」
「……」
返事がないので、入るぞと断りを入れて静かに中に入り襖を閉める
慶次は布団に潜り、丸くなっていた
「慶次?大丈夫か?」
そっと掛け布団を剥ぐと、慶次は目に涙を溜め利家を見上げる
泣いている慶次に利家は動揺した
「どっ!どうした慶次!どこか痛むのか?!」
「ふぇ…ぅ…お、叔父上ぇ…」
普段の利発な様子はなく、元服前の子らしく幼い仕草で縋ってきた
慶次に甘えられたことのない利家はたいそう驚き、同時に嬉しいと感じたが
今はそれどころではないと思い、手を握った
ヌルリと滑る感触に手のひらを見る
「ん?…これは…」
「ぅ…ふえぇーーっ」
利家の反応に慶次は不安が増してとうとう声を上げて泣き出した
「慶次!慶次!大丈夫だ!泣くなっ」
利家は布団の上で胡坐をかき、慶次をその上にすっぽりと座らせた
細い両足を左右に開かせ、寝巻きの裾を捲くり上げる
しっとりと湿った下帯に手をかけると慶次の体がピクンと跳ねた
利家が帯を解くと露になったまだ幼い性器がヌルリと透明に滑っている
「…そうか、」
「…叔父上ぇ…俺、死ぬの?」
慶次は大きな目に涙を浮かべて、利家を見上げた
「ははっ、これはな慶次が大人になったって証拠だ」
「?」
意味がわからないようで慶次が小首をかしげる
利家自身もまだ若く、最近まつを娶ったばかりで子がない
なんと教育していいものかと思案するが、
生憎まつは実家に用向きで数日屋敷を空けている
さて、困ったと唸ってみたが良い例え話も浮かばず
ありのままを話すことにした
「つまりな、摩羅からこの白い液が出るようになると
体が大人になったというこで、子を成せるのだ」
「子!俺はもう子を作れるのか?!」
「まぁ、まだ早いが…慶次の体は準備が出来てるということだ」
慶次は利家の胡坐のなかで、目を白黒させている
無理もない、慶次自身まだあどけなさが残る子供なのだから
急にそんな事を言われても想像できないだろう
「慶次が子を成すのはまだ先として、これをな」
利家が慶次の精液で濡れる陰茎に触れる
「ぁっ…!」
咄嗟に上がった慶次の甲高い声に利家はゴクリと唾を飲み込んだ
「っ…す、すまん」
「叔父上…?」
「あ、あーっと、某のことは利家と呼んでいいといったろう?」
「…利」
利家はなるべく優しく慶次の陰茎を手の平で包むと、ゆっくり上下に擦りだした
「っ…利…」
「こうやって摩羅を擦ると気持ちいいだろ」
「気持ち…?わ…わかんな…っ」
経験したことのない感覚に慶次は利家の着物の袖を掴んでキュっと目を閉じる
尿道の入り口を指の腹で円を描くようにこすってやると
慶次の腰が小さく跳ね上がった
「あっ…叔父…っ利!」
「気持ちいいか?」
「う…んっ」
ピンっと手の中で慶次の性器が勃ち上がる
「ほら、慶次見てみろ」
「へ…?あっ…俺の…」
「おっきくなっただろう?」
利家が強めに扱くと慶次はフルフルと首を振った
「あっ!利、俺…っ!厠にっ」
「大丈夫だから、このまま出してみろ。
こうやって時々出すと夜に漏れ出ることもない」
「う…ぁっ!や…出…っ」
ブルっと震え同時に幼い性器からピュルピュルっと白濁した液が断続的に飛び出す
「あっ!あぁっ利ッ!」
「慶次ッ…」
快感に酔う慶次の姿に利家も興奮していた
投げ出された白い足の柔らかそうな内腿に吸い付き、赤い跡を残したい
もっと慶次の甘い声を聞きたい…そんな想いに囚われていると
射精を終えた慶次が肩越しに振り向いて利家を見た
「利…、利も出す?」
「へ?」
ハッと気づいて慶次が触れる先を見ると、
己の一物が下帯を突き上げていることに気づいた
拙い動きで着物と下帯を剥がされると、窮屈そうに収まっていたモノが
勢いよく飛び出す
「わっ…利のすごい!」
「けっ、慶次!?」
「おっきくなってるって、利も出したいってことか?」
「う…いや、その…」
違うと言ってしまうと今までの説明が矛盾する…かといって認めるのも…
答えに窮しているうちに、慶次は自分がされたように利家の怒張した一物を
ゆるゆると扱きはじめた
「こう?」
「慶次…い、いかん!」
「なんで?」
「近親者同士はいかんのだっ」
「じゃ、利とまつもダメなの?」
「某とまつは夫婦だから…っ」
問答しながらも、慶次は手を止めない
まだ少年の大きくはない手が一生懸命に己のモノを扱いている様は扇情的で
意に反して摩羅が一回り質量を増す
「あ、少し出てきた」
「くっ」
亀頭の先からジワリと先走りが溢れ出てきた
「なぁ、利。どうして俺はダメなの?まつねぇが利の嫁でも俺は利の甥だよ」
「いやっだから、嫁はいいが甥はダメなのだっ」
慶次は納得出来ないとばかり頬を膨らませ、口を尖らせた
「どうして、まつねぇは良くて俺は利に触っちゃダメなんだよ!」
半分目に涙を浮かべながら叫ぶと、慶次は利家の勃起した陰茎を口に含んだ
「なっ!け、慶次っ!」
癇癪を起こした慶次の行動に利家は慌てた
口が小さくて利家の一物を含みきれないせいか
敏感な先端ばかり吸われ、迫り上がる射精感に慶次の肩を掴んだ
「ダメだっ慶次!離せっ」
「んーッんんー」
引き抜こうとした瞬間、慶次の舌が裏筋を舐め上げ利家はたまらず
耐えていた精を放った
「くっ…!」
腰から陰茎の先端へ突き抜ける快感に射精が止まらない
見ると、放った精を顔に浴びた慶次が呆けた表情で見上げていた
チロっと覗いた小さな舌が唇についた精液を舐めるのをみて
利家の理性が切れた
「慶次っ!」
「ふぇ…っ」
利家は慶次の体を押し倒して、両脚を開き腰を少し持ち上げると
固く窄まった後孔を舐めた
「なっ何?!利っ!」
思わぬ箇所を舐められ、慶次は軽く身を捩った
利家は慶次の陰茎を手淫しながら、後ろを丹念に舐め舌先を中へ潜り込ませる
「ぁっ!!」
前を扱かれる快感とは別の、体の中からジワジワと広がる気持ちよさに喘いだ
「と…利ぃ…!」
入り口が唾液で、程よく解れる頃には
慶次も利家も再び反り返る勢いで勃起していた
利家は慶次の膝裏に手をいれ、薄い胸につくほど折り曲げると
誘うようにひくついている後孔に亀頭を押し当てた
「と…し…?」
何をされるのか解らず不安げに名を呼ぶ慶次にそっと口付けた
「慶次、これは某達だけの秘密だ」
「秘密…」
「誰にも口外してはならん」
慶次がコクンと頷いた瞬間、利家はズンっと猛々しい一物を小さな孔へ押し入れた
「う゛ーーーッ!!」
声にならない呻きを上げ、慶次は目を見開く
「慶次ッ!」
ズブズブっと一物を途中まで埋め込み、息をついた
経験したことのない圧迫感に慶次は壊れたように涙をボロボロ零していた
「あ、あッ…!」
「慶次!某の慶次ッ!」
ズルリと引き抜き、再び差込む
浅い挿入をゆっくり繰り返し、慶次がなじむのを待った
「利ぃ〜ッ!」
「慶次…」
慶次の陰茎を刺激しながら、顔に口付けを落とすとようやく落ち着いてきた
苦痛が引くと変わりに快感が沸き起こり
利家の一物が内壁を擦るたびに、ビクンっと腰が震えた
「…ぅあ…っ…あ…んっ」
慶次の中は狭くキツイが、感じ始めてきたのか腸壁がうねる様に
利家の一物を包み収縮している
「う…っ慶次!」
「と…し!もっと…もっとッ!」
慶次の勃起した陰茎がヌルヌルと濡れているのを感じ、
せがまれるまま腰を奥へ突き入れた
「う゛あッ!!」
ブジュっと結合したところから水音が響き、淫液がタラタラと尻を伝って
敷布にしみ込む
慶次は利家の大きな一物を根元まで受け入れ、背中に腕を回すとしがみ付いた
「利っ、俺…また出そうっ」
利家の腹に擦られ、慶次の陰茎がヒクヒク脈打っている
「思う存分出せっ!某も…ッ」
緩急をつけ慶次の感じる部分を突きながら抜き差しすると
波打つように熱い粘膜が勃起した肉棒を締め付ける
「…慶…次ッ」
「あ!あぁッ…利ッ!」
細い腰を引き寄せ、激しく貫くと悲鳴にも似た声と共に慶次が達した
「ッーー!!利ぃ!!」
「出すぞッ慶次」
利家の反り返ったモノが中でグンっと脈打ち、ドクドクっと白濁した液を注ぎ込む
すべてを吐き出し、慶次の後孔から引き抜くとゴプリと精液が溢れ出た
********
下女に用意させた湯の入った桶に手拭を浸し、慶次の身を清めた
慶次はぐったりと床に横たわっている
「無理をさせてすまん、慶次」
真新しい着物を着せながら、利家は自己嫌悪に陥った
兄、利久から預かり受けた大切な甥を欲望の捌け口にするとは…
慶次は手を伸ばし、利家の裾を掴んで見上げた
「なぁ、利…またしよう、な?」
まだ快感が抜けきらないのか潤んだ目と
赤く濡れる唇が笑っている
「慶次…お前…」
ゾクリと背筋を走る妖艶さに、利家は引き寄せられるように唇を重ねた
触れるだけの口付けは、いつの間にか舌を絡め合わせ
貪るような激しいものに変わる
「利…夜になったらまたしよう」
「い…いかん。某達は…本当はこのようなことをしては…」
「ふぅん…」
慶次は寂しそうに目を曇らせ、視線を落とした
「…じゃ半兵衛達にしてもらう」
「半兵衛?」
「うん!最近仲良くなった。俺より年上で嫌なヤツだけとホントは優しいんだ。」
「……」
「あとな、秀吉って言って、すっげぇ背が高いやつ。この間肩車してもら…」
利家は慶次を強く抱きしめた
「ならん!他の者に触れさせるなどッ!絶対にならんッ」
「…でも…俺、まだ一人じゃ出来ない」
「慶次…」
慶次が他の者に汚されるのを想像して
腹が煮えるようなどす黒い感情が沸き起こった
利家は諦めたように息を吐く
(某はもう囚われてしまった…)
おそらく、この関係が知れたらまつに暇をだすことになるだろう
それは出来れば避けたいことだが…
慶次を失うわけにはいかん
「今、朝餉の汁を温め直させているから、少しの間眠っていろ」
「利〜…」
慶次に布団をかけ、眠れるように艶やかな長い髪を
優しく撫でてやった