借金
「ちょ!困るよっバイト先まで来られちゃ…」
慶次は政宗の腕を引き、店の裏口へ連れて来た
大通りの繁華街とは反対に、雑居ビルの狭い間は闇が濃い
遠くに見えるネオンの光と雑踏に目をやりながら
慶次は深く息をついた
「…バイト代、入ったらちゃんと返すからさ」
「AH…てめぇは数百万もバイト代もらってたのか?そりゃ知らなかったぜ」
「……利子…くらいは…」
政宗は声を落とす慶次の足を薙ぎ払い、固いコンクリの地面に転がすと
高く結わえた髪を鷲掴んだ
「いっ…てッ!」
「なぁ、慶次。そんなんじゃいつまで経っても元金どころか利子も減らせねぇぞ」
「ッ…だ、だから…なんとかする、から」
髪をギリギリと引っ張られ、慶次は強引に上向かせられた顔を歪める
「Ha!確かその台詞は先月も聞いたな」
政宗は獲物を仕留める獣のように残忍な笑みを浮かべ慶次を見た
「でもな、アンタが誠意さえ見せれば俺はいつまでも待ってやるぜ?」
その言葉に慶次は唇を噛んだ
「慶次、咥えろ」
政宗の冷えた声音に慶次の肩がビクリと跳ねる
半年前、バイクで事故を起こした
バイトを終えた帰り、小さな路地の交差点で高級車にぶつかってしまい
その修理代を高級車の後部座席から出てきた政宗に立て替えてもらったのだ
今思えばすぐ警察を呼べば何の問題もなかったが、
慶次は黒塗りのベンツに銀色の傷が走っているのを見て動揺してしまった
『そんなに気にするな。修理代っていってもたいした額じゃねぇ。
俺が立替ておくからお前は俺に少しづつ返しな』
その言葉を鵜呑みにして、言われるままに書いた借用書
請求された額は
元金どころか利子さえも返せる額ではなく…
返済できない変わりに政宗の欲求の捌け口になっていた
慶次は政宗のスラックスのジッパーを下ろすと、手を差し入れ性器に添える
何度強要されても慣れることのない行為に慶次は躊躇った
「…政宗」
「嫌ならいいんだぜ?」
政宗が喉の奥で低く笑う
沈黙の後、慶次は意を決して政宗のモノを口に含んだ
と、同時に掴まれていた髪をグイっと引かれ喉の奥に押し込まれる
呼吸ができない苦しさに無意識に舌を蠢かすと
政宗の陰茎が口内で脈打ち質量を増す
「うぐッ!!」
固い肉棒が容赦なく喉奥へ突っ込まれ、
両手で掴まれた頭をガクガク揺さぶられる
「ッ!!ぐぅッ!!!う゛ッ!!」
酸素を求めて夢中で口を動かすが、溢れる唾液が気道を塞ぎ
涙が溢れおちるばかりで、上手く咥えることが出来ない
「んんッ!!う゛ぇッ!」
思わず政宗の腿に爪を立てると、ズルリと肉棒が引き抜かれた
「…いつまでたってもコッチの口は下手くそだな」
政宗は咳き込む慶次をうつ伏せにすると、手早く下着ごとスラックスを剥ぎ取った
「げほッ…ッ!ぁ…やッ」
慶次の顔を冷たいコンクリの地面に押し付け、腰を高く持ち上げる
剥き出しになった尻を両手で左右に押し開き、固い後孔に亀頭を宛てがう
露出した冷たい下半身の中心に熱を感じ、慶次は身を捩った
「や!政宗ッ…た、頼むッ!勘弁してくれッ!」
「Ah?アンタの為を思ってしてるんだぜ?
いつまでも店に戻らねぇと誰か来るだろ?」
「っ…」
「さっさと終わらせて欲しけりゃ、しっかり咥え込めよ」
言い終わらない内に、政宗は力まかせに先端を捻じ込んだ
「ーーーッ!!!!」
「くッ…さすがにキツイな」
無理やり亀頭を中に収めると、政宗は一旦動きを止めた
内臓を突き上げるような衝撃に慶次の体がガクガク震えた
「う゛ッ…あ゛あ゛ッ」
必死に呼吸を整えようとするが、体が勝手に痙攣し
その振動で差し込まれた政宗のモノが狭い入り口をグリグリ押し広げる
「や゛ッ…やめ、てくれッ!ま、政…宗ッ…」
慶次は額に玉粒の汗を浮かべて懇願した
「…」
政宗は無言で口元に笑みを浮かべた
熱く柔らかい粘膜に覆われた内壁が、蠢くように政宗の陰茎を包み込み
奥へ誘うように絡みつく
初めて抱いた時に、慶次の体の良さに驚いた
これ程の名器は味わったことがない
前立腺の膨らみを亀頭で擦るように、浅く抜き差ししてやると
痛みで震えていた慶次の体がピクンっと跳ねる
「ひィッ…あぁッ!」
男にしては高めの慶次の声に快感が混じる
政宗の緩やかな動きに次第に入り口の筋肉が解れ、呼吸が楽になると変わりに
ゾクゾクと痺れるような快感が沸き起こってきた
「う…んんっ…は、あぁ…っ」
「気持ちいいか?慶次」
慶次は首を緩々振って否定するが
政宗の肉棒を咥え込む後孔はキュウっと締め付けてしっとり濡れていた
「くくッ…体は正直だな」
政宗は後ろから手を伸ばし、慶次の陰茎を上下に扱きながら、
再びゆっくり腰を押し入れる
「あッ!!あ、あぁ、政宗っ…!」
快感が増すように中で前立腺を刺激し、手で敏感な亀頭と裏筋を擦ってやると
勃起した陰茎の先からジワリと先走りが溢れ出てきた
「ッ…う!」
手の中で慶次の性器がビクッと震える
政宗は頃合とみて、手を放すと慶次の腰を掴んでズンッっと叩きつけるように
再奥へ反り返った肉棒を突き入れた
「うああぁッ!!!」
慶次は体を穿つ衝撃に、勢よくビュルビュルっと白濁した精液を放った
「あ゛ッ!ああッあッ…!」
止まらない射精の快感に慶次は壊れたように喘ぐ
強い快感に震える慶次の中は熱く、政宗の肉棒にキツク吸い付いた
「…ッ」
政宗は達しそうになるのを耐え、ズルッとギリギリまで引き抜くと
痛いくらいに勃起したモノを一気に根元まで突き入れる
「ひッィ!!ああッ!!政宗ェ!!」
悲鳴を上げながらボタボタと射精し続ける慶次の体を
壊れるほど激しく揺さぶった
結合した部分から淫液が溢れ出て交じり合いグチュグチュと音を立てる
「いいぜ!慶次ッ!!おめェは最高だ!」
政宗は慶次の奥へ精液を注ぎながらも、
萎えるどころか固さを増す肉棒で貪るように犯し続けた
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偶然だった
迎えの車が来るのもまたず、行き着けのクラブから酔って出た時
偶然慶次とぶつかった
よろけただけだったが、慶次は心底怪我はないかと心配して
笑えることに絆創膏を差し出た
そしてふざけたことにそれ以来、頭から慶次が離れなくなった
慶次を自分のモノにしたい
調べるとすぐに付近のビルのバーで働いていることがわかり
わざと事故を起こした
慶次は俺を覚えていなかったが、うまく借金を負わせることが出来た
「放さねぇぞ」
後孔から大量の精液を溢れ出させて、横たわる慶次を見下ろす
卑怯と言われても、俺はこれ以外に慶次を繋ぎとめる術を知らない
「お前は俺の…」
屈みこんで慶次の顎を捉えると、唇を重ねた
いっそ舌を噛み切ってくれればいい
なのに、弱々しくも応えるように慶次の舌が絡み付いてくるから…
胸を掻きむしりたくなる程
苦しくて
苦しくて…
掠れた笑い声が雑居ビルの狭間に響いた