(…どうしよう……似てる…)
明は湖の水面に映る自分の姿に困惑していた
偶然見つけたビニールシートを見て思いついたのだ
これを被ったら兄貴に似てるかな…
そんな軽い気持で、ついでにマスクと手袋を用意して人目のつかない
森の奥でそれらを身に着けてみた
鏡のように澄んだ水面に映った姿に唖然とする
(…兄貴……)
まるで死んだ篤が水の向こうに沈んでいるかのようで
明は無意識の手を伸ばした
触れようとした瞬間、当然のように水面が揺れ、その姿は波紋で歪む
濡れた手袋の指先を見て、明は兄の大きな手を思い出した
優しい、少し低めの声が耳の奥に蘇る
明はそっと自分の体を抱きしめた
(この腕が兄貴だったら…)
自分の体温だとわかっていても、徐々に増す熱が兄のものであるかのような錯覚がする
(会いたいよ…お兄ちゃん……)
切ない溜息ついて、目を伏せると自分のモノが反応していた
「…ど…しよ…」
明は周りを見渡して、誰もいないのを確認すると
草むらに座り、軽く足を広げてズボンのファスナを開いた
(…俺、変態じゃないか…)
実の兄を想って、自慰するなんて…そんな理性と裏腹に手は性器へと伸びる
素手と違う、手袋の布の感触に思わず声が漏れる
「ふっ…ぁ…」
(兄貴の手…俺のを触ってる…)
明は目を閉じると、ゆっくり上下にしごき始めた
マスクをしているせいで巧く呼吸が出来ず、発散できない熱が体に篭る
「ぁんッ…あ、兄貴っ…気持…いいッ…」
手の平で裏筋を、親指の腹で先端を擦り上げると
固く勃起した性器から透明な液が溢れてきた
先走りを潤滑油に少し強めにしごく
(はッ…ぁ!…も、出…)
体の奥から突き上げるような快感に
明は腰を浮かせて喘いだ
「う…ぁっ…兄…貴ッ」
(イクッ…)
射精する直前
明は薄く目を開いて硬直した
「…フッ、どうした?私に構わず続ければいい」
目の前に雅が立ってる
余りの出来事に明はただ目を見開くだけだった
「その姿、丸メガネかと思って驚いたぞ」
雅は屈み込むと、面白そうに笑いながら
射精寸前だったペニスに添えた明の手を掴み込むと
強制的にしごいた
明の体がビクンと跳ねる
「ぁ…やッ…やめ」
やっと声を発した明だが、甲高く甘ったるい自分の声に驚き
慌てて唇を噛んだ
「…さすがに兄弟だな…篤によく似ている」
雅に耳元で囁かれ、その熱い吐息に背筋がゾクリと震える
イク寸前だった明の性器は
雅の手で数回擦られただけで、射精した
先端から勢いよく、白濁した精液が放たれ
ビクビクっと脈打つ
「うっ…!あ…」
射精の快感に明は放心したように
濡れた目で雅を見上げた
「誘っているのか?…明」
雅は明の髪を乱暴に鷲掴みにすると、後ろへ引いた
自然に上がる顎をもう片方の手で固定し、マスクをズリ下ろす
半開きになったその口に噛み付くように唇を重ねた
雅の舌が生き物のように
ヌルリと艶かしい感触で口腔を這い、
奥に引っ込んでいた明の舌を絡め取る
口内を犯す舌が蠢く度に
溢れる唾液がピチャピチャといやらしい音を立てる
「んっ…く…みや…びッ…」
発する声を雅の唇が塞ぐ
呼吸も何もかも奪われるような激しい口付けに
明は無意識に雅の背中に縋りつくように腕を回していた
歯茎を舌先でなぞられ、ビクッと肩が小さく跳ねる
さっき吐精したばかりの明の性器は
再び勃ち上がっていた
絡み合う舌も混ざり合う唾液も
もう、どちらのものかわからない
一人でしていた時とは比較にならない激しい欲情が沸き起こる
雅はゆっくり唇を離し、明を解放した
「どうして欲しい?言ってみろ」
雅の有無を言わせない威圧的な声に明は一瞬戸惑う
しかし答えなければ
雅なら、こんな半端な状態でも平気で自分を放置していくと思い
明は濡れる唇をキュと噛み意を決した
「…し…て…、もっと…イキたい…雅」
フッと喉の奥で笑うと雅は立ち上がった
縋るように見上げる明の前で、スラックスを下ろすと
固く反り返った性器を取り出し、口元に押し付けた
「咥えろ」
明はゴクリと唾液を飲み込むと
跪いてその根元に手を沿え、そっと舌先で先端を舐め、口に含んだ
「んッぐ…」
雅のモノは大きく、途中までしか口の中に収まらない
男性器など当然咥えたことのない明だが
それでも拙い動きで舌を這わせた
「んんッ!!」
突然雅は明の頭を両手で固定すると、腰を突き出し喉の奥へ
勃起した性器を押し込んできた
(くッ!苦しいッ…!)
脈打つ肉棒が更に容量を増し、喉の奥を強引に押し広げ口内を犯す
飲み込めない唾液が口の端から垂れ流れた
「フ…まともに咥えることも出来ないのか?篤…いや、明だったな」
どちらでもいいが…そう笑いながら雅は腰を打ちつけた
「全部飲めたら褒美をやる」
口の中で雅の性器がビクンと跳ね、咽喉に大量の精液が注ぎ込まれる
明は必死でそれを飲み下した
雅はズルリと性器を引き抜くと、明の体を荒々しく押し倒した
「ぁ…雅…」
「褒美をやるといっただろう?」
明の首筋に顔を埋めると、その肌に吸い付いた
雅が口調とは裏腹に、欲情しているのが解り
明もその白い柔らかな髪に指を絡ませた
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